住宅取得のための資金を援助(贈与税)

住宅取得のための資金を援助(贈与税)

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加部島を横断する農道

《虹子》
子や孫が住宅を取得する際には、できる限りの範囲で生活の安定を考えてあげたい。住宅ローンを極力利用しないで済むようにしてあげたい。そのためには、資金援助をしたい。が、贈与税の負担が重いのでは!。といった相談が結構ありますので、住宅取得等資金の贈与税の非課税について説明していただけませんか。


【高塚】
平成27年税制改正を踏まえてお話します。
私は、今回の改正で留意しなければならないと強く思った点は、住宅取得等資金の贈与税の非課税上限額の考え方が大きくかわっているところです。
改正された非課税上限額を示せば、次の図のとおりです。

住宅の新築等に係る
契約の締結期間
消費税が8%の場合
一定の耐震・エコ・バリアフリー住宅
消費税が8%の場合
一般住宅(左記以外の住宅)
消費税が10%の場合
一定の耐震・エコ・バリアフリー住宅
消費税が10%の場合
一般住宅(左記以外の住宅)
平成27年12月まで1,500万円1,000万円
平成28年1月~
平成28年9月
1,200万円700万円
平成28年10月~
平成29年9月
1,200万円700万円3,000万円2,500万円
平成29年10月~
平成30年9月
1,000万円500万円1,500万円1,000万円
平成30年10月~
平成31年6月
800万円300万円1,200万円700万円

図の中の「契約の締結期間」をご覧いただきたいのですが、改正前はこの欄は贈与年ごとに非課税限度額の上限が異なっていたのが、今回の改正で住宅取得の契約年月で上限額を判断することになりました。
つまり、住宅の新築、取得又は増改築等(以下「新築等」といいます。)に係る契約(土地の取得に係るものではありません。)の締結をした日によって適用できる非課税限度額が異なる制度に改められましので、改正後のこれらの特例の適用を受けるためには、平成31年6月30日までに住宅の新築等に係る契約を締結する必要があることになります。


《虹子》
一定の耐震・エコ・バリアフリー住宅とは、どのような住宅をいいますか。


【高塚】
省エネ住宅とは省エネ等級4、一次エネルギー消費量等級4及び5の住宅をいい、耐震住宅とは耐震等級2以上又は免震建築物に該当する住宅をいいます、またバリアフリー性の高い住宅が追加され、高齢者等配慮対策等級3以上の住宅が該当することとされました。


《虹子》
住宅取得等資金の贈与税の非課税制度の要件、特徴を教えてください。


【高塚】
特例適用のための要件と特例の特徴を簡単に説明しますと、
贈与者⇔父母・祖父母の直系尊属
受贈者⇔20歳以上の子・孫等で、その年の合計所得が2,000万円以下の者
資金の使途⇔居住用の家屋やその敷地の購入資金、居住用の家屋の増改築費用
家屋の条件⇔床面積50㎡~240㎡、中古の場合:耐火住宅→築25年以内、それ以外→築20年以内、もしくは耐震基準適合証明を受けているなど。※自分の親族など、特別な関係がある者と取引して住居を取得する場合は適用できない。
贈与者の死亡⇔贈与財産のうち、限度額以下の部分は相続開始前3以内の生前贈与加算の対象外



《虹子》
父母・祖父母名義の宅地を贈与し、その上に子・孫等が住宅を新築した場合も、特例の適用はできますか。


【高塚】
住宅取得等のための資金の贈与ということですので、宅地そのものの贈与には適用はないということになります。
ただし、その場合には相続時精算課税の特例の活用を検討するものと考えられますが、住宅取得等資金の贈与税の非課税制度と相続時精算課税の特例の同年中の併用が可能かどうか(理論的には可能)微妙な問題がありますので、具体的な事例に関しては税理士等に相談してみてください。なお、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例とは要件が異なりますので留意してください。


《虹子》
他に気づかれた点はありますか。


【高塚】
贈与税の申告者に添付する住民票の写し及び戸籍の附票の写し(戸籍謄本ではない)については、平成28年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税(平成28年分の申告から※来年2月、3月の申告は27年分です)については、マイナンバー制度の施行に伴い申告書の添付書類から除かれることとなりました。


《虹子》
お疲れさまでした。

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